高瀬 悠人 「スマホの中の、薄い光」第2話 「まだ、終わりじゃない」

タバコをもみ消し、スマホを開く。
ゲームの通知、SNSのタイムライン、動画アプリのおすすめ──。

けれど、どれも目に入らなかった。

代わりに、なぜか検索バーに指が伸びた。
無意識に打ち込んだのは、

通信制大学

画面には、「社会人でも学べる」「学歴取得」「自分のペースで」などの文字が並ぶ。

悠人は、鼻で笑った。
いまさら、何を。
別に大学に行きたかったわけでもない。
これまでだって、それなりに、やってきたじゃないか。

だけど、ほんの少し、胸の奥が疼いた。

高瀬 悠人 「スマホの中の、薄い光」第1話 「濁った光を手にして」

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